家族学習会・公開講座・交流研修会・SST研修会

1.家族学習会・公開講座

あやめ会は、川崎市からの委託により地域精神保健福祉対策促進事業として、次に示す各種学習・講演会・研修会等を実施しています。これらは、当事者を支える家族を元気づける知識・ノーハウを提供すると共に、家族や地域の方が精神障害についての正しい理解が得られることを目的としております。
多くの家族の方や地域の方に有益な会の開催を心掛け、大勢の方に参加していただけるよう趣向を凝らしております。

1.家族学習会
家族学習会は主として会員家族向けの学習会です。原則として、地域福祉施設「ちどり」で開催しています。

令和4年度第1回家族学習会を、コロナ下でしたが感染対策を徹底して、6月22日(水)に「てくのかわさき」4階展示室で開催しました。
医学博士・精神科医 伊勢田 堯先生に、タイトル「当事者をどう見て、家族はどう対応すればよいのか」 でご講演いただいた後、出席者との一問一答を行いました。
先生のお話しは、群馬大学附属病院精神科で開発された独自の療法「生活臨床」についての開発の経緯と実践例でした。
統合失調症を他の病気と同じに考えるとのことで、当時の国民病である結核をモデルにして開放病棟で治療をはじめた。
患者の悪化にはそれなりの原因があり、それを解決すれば統合失調症の再発も予防できる。「原因を手当する」これが生活臨床である。生活の場面で診断し、生活の場面で治療する。その人が病気をもっていても満足のできる生活をなるべくできるように努力する。結果よりも努力することが大事で、結果が良ければもっといい。「課題」を実現できるように本人を中心に家族や援助者が一緒に努力することが一番大事である。更に、生活臨床の基本は「普通に接する」かつ「一目置く態度」である。
本人が関心を持っていること、やりたがっていることは何か、それを応援する、閉じ篭っている人には応援のサインを送り続ける。いつかは判ってくれる。
会場での一問一答は時間の関係ですべてを消化できませんでしたが、後日、全ての質問に丁寧に答えていただいた文書が伊勢田先生から送られてきました。

令和3年度の第1回家族学習会を、感染対策を徹底して、コロナ禍の6月12日(土)に、埼玉県済生会鴻巣病院副院長・白石弘巳先生にご協力いただき1年7か月ぶりに「家族だから知っておきたいコロナ禍における当事者への理解と家族の対応~より良い暮らしの為に家族が出来る事~」をテーマとして開催しました。
前回学習会の主題であった精神疾患(統合失調症)における「認知機能の低下」についての学びを基に、未曽有のパンデミックである新型コロナウイルス感染症拡大で長期間の自粛生活によって「コロナ禍における家族生活」への影響、白石先生のご研究の「臨床下における患者さんの変化」等についてお話しいただきました。
講演の後の質疑応答で、参加者家族の熱心な質問に対し、白石先生には、時間を延長して、一つ一つ丁寧にお答えいただきました。
今回の家族学習会の要約を、あやめ通信第60号(令和3年7月1日発行)に掲載しています。

令和2年度は、コロナ禍の影響で実施しませんでした。
令和元年(2019年)度は、11月16日(土)に地域福祉施設ちどりを会場に、「精神疾患による認知機能障害~その時々の家族の対応と薬の関係~」というテーマで、埼玉県済生会鴻巣病院副院長兼あやめ会理事の白石弘巳先生にお話いただきました。
「認知機能とは、外部からの情報を取り込んで、過去の記憶などと照合し、判断し、表出するまでの過程を指します。感覚系、運動系、注意、言動、思考とイメージ、情動、意識、覚醒、集中、知性、遂行などの機能からなります。 統合失調症などの精神疾患に罹ったあとの社会での活動に、認知機能の障害が影響を与えることが広く知られるようになってきました。障害が出るのは、精神疾患の症状、後遺症(障害)、生活習慣に由来する機能低下、向精神薬服薬の影響などの要因が考えられます。」とお話された後、
精神症状に伴う認知機能障害、精神疾患の後遺症としての認知機能障害、生活習慣に由来する機能低下(活用しないために生じる機能低下)、向精神薬の影響、認知機能の悪化の予防と改善のために、のそれぞれについて詳しい解説がありました。
あいさつや日常の会話、できることを継続して行う生活動作、就労などで認知機能を使うことがまず求められるとのことでした。
先生のお話の要約を、あやめ通信第55号(令和2年1月1日発行)に掲載しています。

〇市精神保健福祉センターとの意見交換会

平成29年度は、家族学習会に替えて、10月13日午前、ちどりにて、川崎市精神保健福祉センター竹島正所長等との第3回意見交換会が「訪問(ひきこもり)支援・家族支援を中心に」をテーマに行われました。市側から7名、各単会から22名が参加しました。懇談では、各単会で行われた実態調査アンケート結果が配られ、訪問支援、家族支援で共通しているのは、第三者に会うことを拒否し、一歩が踏み出せないで家庭内にとどまっているケースへの訪問・支援であると強調されました。続いて、通院し薬も飲んでいるが自宅に引きこもり他人に合うことを拒否しているために、第三者とのかかわりが持てず親亡きあとの相談もすすまない。本人が拒否している場合は行政の援助が入らず結果的には支援につながらず病状も良くならない。家族関係の改善も重要だが、家族関係だけでは閉鎖的で発展性がないので、本人との信頼関係をつくる第三者の訪問支援の必要性などが強調されました。こうした、家族が抱える悩みや要望を受け、竹島所長からも、家族だけの閉鎖的な関係になっているケースが残されている。第三者の介入があれば、家族にも当事者にも好循環が生まれる可能性があるのが、そうなっていない実態が見えてきた。今後の課題が何かを考える上で参考になるなどの指摘がありました。


2.公開講座

公開講座は、当事者や会員をはじめ地域の住民の方を対象にして、精神疾患やその医療行為および精神保健福祉に関する情報等をテーマとして、精神障害についての差別・偏見の解消に向けて開催しています。会場は、川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)等です。
令和2年度は、コロナ禍の影響で実施しませんでした。
平成30年度は、2019年2月21日(木)に、講師:国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部・部長功刀 浩(くぬぎひろし)先生、演題:「うつ病や統合失調症の治療に役立つ食事と生活習慣」として行いました。概要はつぎのとおりです。
精神疾患の治療として、過度のストレスを受けない環境を整え、認知行動療法などの精神療法、抗うつ薬・抗不安薬・抗精神病薬ほかの薬物療法、社会復帰に向けたリハビリテーションが従来からの主流・柱である。一方、本人が自分でできる心の病気の発症・再発の予防として、食事、運動、睡眠をキチンとする生活習慣の改善が重要である。
望ましいストレスに強い生活習慣とは、早寝・早起き、十分な睡眠、美味しい朝食(身体のスイッチON)、朝日を浴びる(頭・脳のスイッチON)、効率よい仕事、家族との談話、適度な運動、あたりまえのことである。ストレスに弱い生活習慣はこの逆であり、続けると心の病気になりやすくなる。
現在の食事には、二つ問題がある。一つは食べ過ぎによる肥満で、精神疾患と肥満には双方向性の関係がある。二つ目は栄養不足であり、カロリーは十分だが、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足がちである。また、朝食は大事で、昔から朝食を食べる人は成績が良く、朝食を食べると太らないとのデータがある。
運動は身体によいが、脳や心にもよいことが分かってきた。身体活動が高いほど、うつ病の罹患率や発生率が低く、うつ病症状の軽減につながり、抗うつ薬や認知行動療法と効果がほぼ同等である。週に3回以上、筋トレも入れたある程度の運動(ウォーキングで徐々に伸ばし最終的には40分程度)を継続した方がよい。早朝(心筋梗塞のリスク)や夜中(体内時計を乱す)は避ける。さらに、睡眠の改善も期待される。また、運動するほど脳の一部である海馬の細胞が増えて、記憶力が改善することも分かった。この効果は、統合失調症でも報告されている。
ゲーム、ネット漬けで、睡眠と覚醒のリズムが乱れると身体の調子も頭の調子も出ない。
ここ10数年の研究で、うつ病と関連する栄養/食生活があきらかになってきた。摂取カロリー増で糖尿病・メタリック症候群になり、加工食品の摂取で各種栄養成分(n-3系脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)の不足でうつ病リスクが高まる。認知症や統合失調症の人も同じ傾向になる。
抗うつ薬に、魚に多いn-3系多価不飽和脂肪酸(EPA、DHA)を加えると改善効果が高まる。統合失調症でもEPA、DHA摂取による改善効果があるとの報告がある。
ビタミンB群の一種である葉酸(葉物野菜に含まれる)、ビタミンD、鉄分の不足(鉄分の取り過ぎは危険)で、ドーパミン、セレトニン、ノルアドレナリンの機能が阻害され、疲れやすい、いらいら、興味・関心の低下、集中力の低下などの症状が見られる。
腸に異常があると脳に影響するが、腸の善玉菌は栄養の摂取とともに毒になるものを吸収しない選別機能を担う。うつ病患者は比較すると善玉菌が少なく、乳酸菌等を投与するとうつ症状の改善がみられる。
緑茶のカテキンは、抗酸化作用、活性酸素除去作用、抗菌作用等があり、高級茶のテアニンは統合失調症の症状軽減作用があり、うつ病リスクも低下する。
統合失調症と食事や生活習慣には、つぎのような実態がある。
統合失調症患者で早く亡くなる方の原因の多くが心臓病であり、その要因はメタボリック症候群である。抗精神病薬の副作用、カロリー過多、植物繊維・果物・不飽和脂肪酸の摂取不足などの不健康な食生活習慣と運動不足などが考えられる。食生活の改善および運動への介入を行うことが重要であり、その対策として、生活習慣病の定期的なチェック(体重測定、腹囲測定、血液検査など)、喫煙者は禁煙、薬物の変更(主治医との相談)、栄養指導が求められる。
以上、バランスのよい食事(野菜、大豆、レバー、魚を含めて)を家族・友人と一緒に食べ、必要ならヨーグルトやマルチビタミン・ミネラル剤を追加摂取し、運動を適宜行い、睡眠を同じリズムでキチンととるなど、生活習慣を改善することが、精神疾患の発症・再発の予防と治療に有効である。
今回の講演は、精神疾患を患っている人だけではなく、一般の人にも示唆を与える内容だと思います。食事を含めた生活習慣の維持・改善がいかに大事であるかを教えていただきました。
なお、ここ数年間の実施状況は以下のとおり(家族学習会・公開講座一覧表)です。

家族学習会・公開講座一覧表:

年度 項目 年月日 演題 講師 所属
令和4年度 家族学習会 令和4年6月22日 当事者をどう見て、家族はどう対応すればよいのか 伊勢田堯先生 医学博士・精神科医
令和3年度 家族学習会 令和3年6月12日 家族だから知っておきたいコロナ禍における当事者への理解と家族の対応~ より良い暮らしの為に家族が出来る事~ 白石弘巳先生 埼玉県済生会鴻巣病院副院長
令和2年度 公開講座 コロナ禍の影響で実施しませんでした
家族学習会 コロナ禍の影響で実施しませんでした
令和元年度
(31年度)
公開講座 令和2年2月15日
中止
 精神疾患の薬について勉強しましょう~効果と副作用について~  市橋香代氏  東京大学医学部附属病院精神神経科特任講師
家族学習会 令和元年11月16日 精神疾患による認知機能障害  白石弘巳氏 埼玉県済生会鴻巣病院 副院長
30年度 公開講座 平成31年2月21日 うつ病や統合失調症に治療に役立つ食事と生活習慣 功刀 浩氏 国立精神・神経医療研究センター神経研究所第3部 部長
 家族学習会 平成30年10月6日 成年後見制度を参考にしながら 井口正幸氏  社会福祉士、精神保健福祉士
29年度 公開講座 平成29年9月11日 ストレス社会における精神疾患の治療とケアについて考える 張 賢徳氏 帝京大学医学部付属溝の口病院
精神科 科長
家族学習会 平成29年11月4日 親あるうちに「子の自立、親の自立」自立とは? 品川 博二氏 日本ケア・カウンセリング協会
代表理事
第3回意見交換会 平成29年10月13日 第1回、第2回意見交換会を踏まえて 竹島 正氏ほか 川崎市精神保健福祉センター等
28
年度
家族学習会 平成28年9月3日 障害年金手続きで家族のできること 小山志郎氏 社会保険労務士
公開講座 平成29年3月8日 本人と家族を支える家族支援 伊藤千尋氏 淑徳大学総合社会
第1回
意見交換会
平成28年9月13日 訪問支援について 竹島 正氏ほか 川崎市精神保健福祉センター等
第2回
意見交換会
平成29年1月24日 ひきこもり支援について 竹島 正氏
ほか
川崎市精神保健福祉センター等
27年度 第1回
家族学習会
平成27年10月3日 当事者を抱えた家族が元気になるために 長見秀和氏 湘南精神保健福祉士
第2回
家族学習会
平成28年2月6日 私たちの町にもACTを? 岡崎公彦氏 岡崎クリニック院長
公開講座 平成28年2月25日 元気回復行動プランWRAP 増川ねてる氏 はるえ野センター長
26 年度 第1回家族学習会 平成26年7月5日 公的介護保険の利用について 宮森優子氏
第2回家族学習会 平成27 年1月24日(土) 精神障がい者の入院、退院後の支援、服薬について 日向清史氏 大和病院地域連携・医療相談室長
公開講座 平成27 年2月4日(水) 精神障がい者に対する差別・偏見をなくすために 池原毅和氏 東京アドヴォカシー法律事務所
25年度 第1回 家族学習会 平成25年7月6日(土) 社会資源を活用されていますか? 明田久美子氏 川崎市健康福祉センター 担当課長
第2回 家族学習会 平成25年1月5日(土) 家族のために当事者研究 宝田友子氏 アシリアの会代表
第3回 家族学習会 平成26年1月29日(水) 相談支援事業の再編に ついての理解を深めるために 川上賢太氏 川崎市健康福祉局 障害計画課
高松信氏 いまここ相談 支援専門員
小泉朋子氏 川崎市健康福祉局 精神保健課係長
公開講座 平成26年2月25日(火) 法律改正後の強制入院制度 精神障害を有する人と家族支援に向けて 白石弘巳氏 東洋大学ライフ デザイン学部長

2.交流研修会

家族学習会と同様に、川崎市からの委託により実施しています。当事者やその家族を対象とするだけではなく、ボランティアや一般市民にも精神保健福祉施策の重要性を理解していただくための研修会です。誰もが安心して暮らせる地域社会のあり方を学ぶことを通して、当事者・家族と地域の人との交流を促進する目的で行っています。
令和3年度は、令和3年12月9日に川崎市産業振興会館において、東京大学医学部附属病院の市橋香代先生をお招きして「精神疾患の薬について勉強しましょう~効果と副作用について~」と題して開催しました。先生のお話しの概要はつぎのとおりです。
精神疾患には、脳の機能障害である統合失調症、気分障害(そううつ病やうつ病)とそれ以外で症状を起こす幾つかの疾患がある。精神科で使われる向精神薬のうち抗精神病薬、気分安定薬は治療の主薬として回復後も服用する必要がある。
2015年に日本統合失調症学会は、日本人を対象とした「統合失調症薬物治療ガイド/ガイドライン」を作成した。このガイドラインは、エビデンス(根拠に基づいた有効で安全な医療)に基づいた意思決定(自分のことは自分で決めたい)を支援するために作られた。再発、再燃について、「統合失調症は慢性的な疾患で、安定・寛解後でも、再発することがある」、「再発の原因は、飲み忘れなどできちんと薬を服用できていない場合やストレスの大きな出来事などがあげられる」、「薬物治療を継続していても、自然経過として再発をきたすことも珍しくない」と具体的な臨床疑問や再発・再燃時の対応を解説している。特に、ガイドは、患者・家族・支援者のためにわかりやすい内容になっている。幾つかの事例紹介のあと、診療場面でのコミュニケーションとして、診察時間が短いことやそのための準備ツールとしてみんなねっとが作成した「主治医に渡すメモ」が紹介された。まとめとして、「まずはのんでいる薬について知ろう」、「統合失調症ガイド(市販)を参考に標準的な治療について知ろう」、「支援ツールを活用しながら、診察の場で自身の希望を伝えよう」、「薬以外に工夫してできることをみつけよう」と主治医に任せるのではなく、自らもアクションを起こすことが大切であると結ばれました。

令和2年度は、コロナ禍の影響で実施しませんでした。
令和元年度は、令和元年12月19日にエポックなかはらにおいて、田宮病院長渡部和成氏をお招きして「統合失調症の大切な考え方と進め方」と題して開催しました。 その概要はつぎのとおりです
統合失調症の治療目的は、患者が病状をうまく管理し、孤立せず社会に参加し、自然な笑顔で自分らしく生きられるようになること。同時に、家族も人生の幸せを感じられるようになること。
患者が、病識(病気であるとの認識)をもつことが大事であるが難しい。統合失調症を、「統合」:心や行動をまとめる、「失調」:上手くいっていない、「症」:状態(状態は変化するから良くなる)と3つに分けて理解する。
統合失調症は、原因不明の脳の慢性疾患であり、脳の病気〔本質:脳の機能異常〕の結果として、心の病気〔知覚や思考の異常(幻覚や妄想)、心や感情の変化・行動の異常現象(猜疑的・攻撃的行動やひきこもりなど)が症状として現れる。
治療では、心の病気に対しての希望を持たせる心理社会療法と 脳の病気に対する薬物療法を急性期から慢性期まで常に並行して実施していく必要がある。
治療で大切な患者の姿勢としては、統合失調症は原因不明の脳の病気だからと諦めず、心の病気だから疲れないようにストレスをためないようにして、良くなれるという希望を持って、病気を抱えながらも病気に打ち勝ち自分らしく生きていけるように頑張ろう。焦らない。無理をしない。
田宮病院では、患者心理教育、家族心理教育を実施して、効果を上げている。患者が、患者心理教育の参加により、病識を持ち、病気を受け入れ、回復に向かうと気付き、幻聴や妄想などにうまく対処できるようになる。患者のレジリエンス(抗病力、自然治癒力、生きる力)が高まり、病状が安定し、家族、医師、福祉スタッフに相談(アウトリーチを含む)できるようになる。「患者がうまく相談し続けられていることが回復」であり、相談しながら、就労を含めた自立に向かって歩むことができるようになる。
家族の態度としては、LowEE(Expressed Emotion:感情表出)である。家族の5つの必要条件は、①批判しない ②敵意を持たない ③感情的に巻き込まれすぎない ④褒める ⑤温かな雰囲気の家庭を保つ
家族は、病気を正しく理解、患者のきちっとした治療の受診、患者へのサポート等、LowEE家族になる。家族が変われば患者も変わる。
その他、薬物療法で大切なこと、統合失調症を治すということ、家族の幸せ、認知機能の改善について、認知機能改善に注視した統合失調症治療をお話しいただいた。
家族として当事者に対するときに、どうしても過干渉に陥る傾向があり、家族の態度としてLowEEが大切であることおよび患者の回復とはうまく相談し続けられていることなど目からうろこでした。
ここ数年の実施状況は以下のとおり(交流研修会一覧)です。

交流研修会一覧表

年度 年月日 演題 講師 所属
令和3年度 令和3年12月9日 精神疾患の薬について勉強しましょう 市橋香代氏 東大附属病院医師
令和2年度 令和2年度は、コロナ禍の影響で実施しませんでした
令和元年度 令和元年12月19日 統合失調症の大切な考えと進め方 渡部和成氏 田宮病院長
30年度 平成30年12月13日 この地域で自分らしく暮らす~家族への支援策を求めて~ 岡田久実子氏 もくせい家族会副会長
29年度 平成30年2月7日 「差別・偏見をなくし住みよい社会を」
~当事者・家族も楽しく暮らせる町に~
池原毅和氏 東京アドヴォカシー
法律事務所
28年度 平成28年12月22日 親亡き後を見据えた準備 浜田裕也氏 社会保険労務士
27年度 平成27年12月9日 家族のできること 増野 肇氏 ルーテル学院大学名誉教授
26年度 平成26年12月9日 より良い精神医療を求めて 上森得男氏
高橋美久氏
ひだクリニック
25年度 平成25年12月9日 統合失調症の最近情報 臨床家がなぜ研究するのか 糸川昌成氏 東京都医学総合研究所
統合失調症・うつ病
プロジェクトリーダー

 

3.SST研修会

原則として、あやめ会の会員を対象とした研修会ですが、精神障がい者やその家族の方で参加を希望する方は、あやめ会事務所〔祝日を除く月、火、木、金曜日の10時から16時(044-813-4555)までお申し出ください。

SSTとは・・・

対人関係を上手く行えるようにしたり、新しい対処の方法を習得したりすることによって社会生活技能を高めることを目的に学習するものです。ソーシャルスキルトレーニング(social skills training)の頭文字をとってSSTと呼ばれ、病院や学校などでも取り組まれています。
あやめ会では、このSSTの第一人者である高森信子先生の指導の下で、当事者との接し方や話し方等実践を交えて勉強をしてきました。とくに新しい参加者で当事者の対応でお困りの方には、高森先生から個別に当事者の日常生活訓練や過ごし方などを指導していただけます。父親の参加も徐々に増えております。奇数月の第4木曜日にSST講座を開催しています。
令和3年度の開催と参加者数を以下に示します。

令和3年度SST研修会開催実績

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 合計
月日 5月27日 7月29日 9月30日 11月25日 1月27日 3月24日 6回
参加者数 15名 17名 19名 16名 19名 18名 104名

 

4.関連・関係団体等が開催する講演会等

 関連・関係団体が開催する講演会等の案内サイトを記します。クリックしてご覧ください。
〇 NPO法人じんかれん(神奈川県精神保健福祉家族会連合会)の講演会等
 hppt://jinkaren.net/
〇 みんなねっと(公益社団法人全国精神保健福祉社会連合会)のイベント等
 https://seishinhoken.jp/events
〇 コンボ(NPO法人地域精神保健福祉機構)のコンボ亭
 https://www.comhbo.net/?page_id=72
〇 浜家連(NPO法人横浜市精神障害者家族連合会)
 http://www.hamakaren.jp/
〇 こころの健康情報局〔すまいるナビゲーター〕イベント情報:関東
「統合失調症/双極性障害/うつ病:に関連するもの、または精神障害の理解や交流を深めるための講演会、教室などのイベント情報を掲載
 https://www.smilenavigateor.jp/information/event/?area=関東

5.他団体等に対する当会の講演等

令和4年1月11日に、日本社会事業大学社会福祉学部精神保健福祉学分野での精神保健福祉援助実習指導・演習として、同大学からの要請により「家族が期待する精神保健福祉士(PSW)の役割」について、当会理事長田草川武が講義を行いました。
その内容は、「家族会(あやめ会)活動の紹介」、「精神障がい分野が抱える今日的課題としてのひきこもり、親亡き後」、「家族会(単会)からPSW(精神保健福祉士)を志す方への言葉」を述べ、「これからのPSWへの期待」で締めくくりました。