川崎市の「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」(素案)に対して、意見書を提出

市の条例(素案)に意見書を提出しました。PDFはこちら
川崎市は、6月下旬、「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」(素案)を公表しました。市民意見を募り、本年の12月議会での成立を目指しています。
条例(素案)は、「不当な差別のない人権尊重のまちづくりの推進」と「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進」の二本立てです。前者は、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、出身、障害などを理由にした不当な差別を禁じ、後者は、公共の場での悪質なヘイトスピーチ等を禁ずることを目的としています。
今回の条例(素案)は、あやめ会が市に制定要望してきた「精神障害に対する差別偏見を解消するための条例」に沿う内容を含むものと思われますが、素案の内容ではその実効性に疑義を感じています。そのため、あやめ会は、他の障害者団体等と連携し、意見書を提出しました。その概要はつぎの通りです。
多摩区の精神障害者向けグループホームの移転に際し、激しい反対運動が起こったように、今も障害者に対する差別や偏見が根強くあります。障害者差別解消法を契機に、障害者関係団体が障害者差別禁止等条例の制定を求めてきましたが、今なお実現していません。
このたび、市から「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」(素案)が示されました。ヘイトスピーチ対策は当市の喫緊課題であり、その具体化は大いに評価されます。
一方、「不当な差別のない人権尊重のまちづくりの推進」については、その実効性を高めるために、その対策の具体規定を設けるべきと考えます。障害者差別禁止等に関して、市、市民及び事業者が遵守すべき障害者に対する不当な差別的取扱いの禁止および合理的配慮についての規定を設けるべきと考えます。
障害者差別禁止等の条例が多くの地方自治体で施行されている状況下で、今回の条例制定を好機と捉え、同条例に障害者差別禁止等の具体規定を明記した上、施行されることを強く要請いたします。
条例(素案)については、川崎市役所のホームページにアクセスしてご覧ください。